サブネット計算のやり方を現役が解説|2進数の足し算で速くなるコツつき

CCNAの基礎知識

サブネット計算は、CCNAやネットワーク学習で多くの人が最初につまずくポイントです。2進数やサブネットマスクが出てきた瞬間に「うわ、無理かも」と感じた人もいるかもしれません。

でも安心してください。サブネット計算は、仕組みと手順さえ押さえれば、決して難しくありません。この記事では、現役ネットワークエンジニアとして、計算のやり方を手順どおりにわかりやすく解説します。あわせて、速く解くコツや「試験と実務での扱いの違い」も正直にお伝えします。

この記事でわかること
  • サブネット計算で「求めるもの」の全体像
  • 2進数・CIDR・サブネットマスクの読み方
  • ネットワーク/ブロードキャスト/ホスト数の求め方とコツ

サブネット計算で「求めるもの」を先に知る

サイト主
サイト主

2進数やサブネットマスクで“無理かも”と感じる人が多いところですが、実は求めるものは4つだけ。ゴールを先に知ると、一気に見通しが良くなります。

192.168.1.0/26を例にしたサブネット計算の図
図:/26 を例にしたサブネット計算(2進数の境界と4つの答え)

計算を始める前に、ゴールを把握しておきましょう。サブネット計算で求めたいのは、主に次の4つです。

  • ネットワークアドレス:そのネットワーク自体を表すアドレス(機器には割り当てない)
  • ブロードキャストアドレス:ネットワーク内の全機器への一斉送信用アドレス(機器には割り当てない)
  • 利用可能なホストの範囲:実際にPCやサーバーに割り当てられるIPアドレスの範囲
  • 利用可能なホスト数:その範囲に何台つなげるか

この4つを、IPアドレスとサブネットマスク(またはCIDR表記)から導くのがサブネット計算です。

前提:IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれる

IPv4アドレスは、32ビットの数値です。「192.168.1.10」のように、8ビットずつ4つに区切って10進数で表記します(この8ビットのかたまりを「オクテット」と呼びます)。

この32ビットは、「ネットワーク部」(どのネットワークか)「ホスト部」(その中のどの機器か)に分かれています。住所でいえば、ネットワーク部が「市区町村」、ホスト部が「番地」のイメージです。

そして、どこまでがネットワーク部かを示すのがサブネットマスクです。たとえば「255.255.255.0」なら、先頭24ビットがネットワーク部、残り8ビットがホスト部、という意味になります。

このサブネットマスクを「/24」のように、先頭から数えたネットワーク部のビット数で表すのがCIDR(サイダー)表記です。「/24」は「先頭24ビットがネットワーク部」を意味し、「255.255.255.0」と同じことを表しています。

ステップ1:2進数の「ビットの重み」を覚える

サブネット計算の土台は2進数です。といっても、難しい変換を毎回やる必要はありません。1オクテット(8ビット)の各桁の「重み」を覚えるだけで、ぐっと楽になります。

ビット位置12345678
重み(10進数)1286432168421

この「128・64・32・16・8・4・2・1」は丸暗記してOKです。これさえ頭に入れば、2進数と10進数の変換は「足し算」だけでできます。立っているビット(1のところ)の重みを足すだけです。

たとえば、2進数「01100100」を10進数にするなら、立っているビットは「64」「32」「4」の位置なので、64+32+4=100。これで「01100100=100」とわかります。

慣れてくると、「64と32を足して96」のように、よく出る組み合わせが瞬時に出るようになります。この「足し算で出す」感覚をつかむのが、速く解く一番のコツです。丸暗記というより、九九のように「1つ覚えれば応用が利く」イメージで身につけてください。

ちなみに私の場合、サブネット計算でつまずかなかったのは、先に基本情報技術者の勉強で2進数に触れていたからだと思います。もし今2進数が苦手なら、画面で眺めるより、紙に書いて手を動かして覚えるのが無難です。サブネットは手書きで練習したほうが、確実に定着します。

ステップ2:CIDRとサブネットマスクの対応を押さえる

次に、CIDR表記とサブネットマスクの対応です。よく使うものを表にまとめました。

CIDRサブネットマスクホスト部ビット数利用可能ホスト数
/24255.255.255.08254
/25255.255.255.1287126
/26255.255.255.192662
/27255.255.255.224530
/28255.255.255.240414
/29255.255.255.24836
/30255.255.255.25222

第4オクテットのマスク値(128・192・224・240…)は、さきほどの重みを上位から足したものです。/25なら128、/26なら128+64=192、/27なら128+64+32=224、という具合。ここでも足し算の感覚が活きます。

ステップ3:ネットワークアドレスを求める(AND演算)

ネットワークアドレスは、IPアドレスとサブネットマスクを2進数で並べて「AND演算」すると求まります。AND演算は「両方が1のときだけ1、それ以外は0」というルールです。

例として「192.168.10.100 /26」を計算してみます。/26のマスクは255.255.255.192。変化するのは第4オクテットだけなので、そこに注目します。

  • IPの第4オクテット 100 = 01100100
  • マスクの第4オクテット 192 = 11000000
  • AND演算の結果      = 01000000 = 64

よって、ネットワークアドレスは192.168.10.64です。第1〜第3オクテットはマスクが255(すべて1)なので、IPの値がそのまま残ります。

毎回AND演算するのが面倒なら、「ブロックサイズ」を使う近道もあります。ブロックサイズ=256−マスク値。/26なら256−192=64です。

つまりネットワークは「0・64・128・192」と64刻みで区切られます。100は「64〜127」の範囲に入るので、ネットワークアドレスは64の側、つまり192.168.10.64。同じ答えにたどり着けます。

ステップ4:ブロードキャストアドレスとホスト範囲を求める

ネットワークアドレスが分かれば、あとは芋づる式です。

  • ブロードキャストアドレス:次のネットワークアドレスの1つ手前。192.168.10.64の次は128なので、ブロードキャストは128−1=192.168.10.127
  • 利用可能なホスト範囲:ネットワークアドレスとブロードキャストの「間」。つまり192.168.10.65 〜 192.168.10.126

ネットワークアドレス(ホスト部がすべて0)とブロードキャストアドレス(ホスト部がすべて1)は機器に割り当てられない、という点だけ覚えておけば迷いません。

ステップ5:利用可能ホスト数を求める(2のn乗−2)

そのネットワークに何台つなげるか(利用可能ホスト数)は、次の式で求めます。

利用可能ホスト数 = 2 の(ホスト部ビット数)乗 − 2

「−2」は、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除くためです。たとえば/26ならホスト部は6ビットなので、2の6乗=64、そこから2を引いて62台。先ほどの早見表の数字は、すべてこの式から出ています。

必要な台数からCIDRを逆算するときも、この式が基準になります。「50台つなぎたい」なら、2の6乗−2=62台が収まる/26を選ぶ、という考え方です。

速く・正確に解くためのコツ

ここまでの手順を、現役目線のコツとして整理します。

  • 「128・64・32・16・8・4・2・1」を暗記し、足し算で変換する。これが全ての土台です。
  • 変化するオクテットだけに注目する。マスクが255の部分はIPがそのまま残るので、計算する必要はありません。
  • ブロックサイズ(256−マスク値)で区切りを把握する。AND演算を毎回せずに済みます。
  • 紙に書いて練習する。頭の中だけでやろうとすると桁を間違えます。最初は手書きが無難です。

試験と実務で、計算の「扱い方」は違う

サイト主
サイト主

正直に言うと、実務では確認レベルなら暗算、間違いが許されない場面では迷わず計算ツールを使います。手計算に意地を張ってミスするほうが、プロとしては危ういので。

最後に、現役としての本音を正直に書きます。サブネット計算は、試験と実務で求められるものが少し違います

試験では、ツールを使えないので、自力で手早く計算する力が必要です。だから上のコツを身につけて、紙の上でスラスラ解けるようにしておく価値があります。

一方、実務では少し事情が変わります。私の場合、ちょっとした確認は暗算で済ませますが、コンフィグ(機器設定)を作るときなど「間違いが許されない場面」では、計算ツールを使います。手計算にこだわってミスをするより、ツールで確実に出すほうがプロとして正しい判断だからです。

つまり、実務で本当に大事なのは「一瞬で暗算する速さ」ではなく、「何を計算しているのか、仕組みを理解していること」です。仕組みが分かっていれば、ツールの結果が正しいかも判断できます。試験のために計算術を磨きつつ、その裏にある仕組みをしっかり理解しておく——これが、試験にも実務にも効く学び方です。

CCNAの知識が実務でどう使われるか(どこまで暗記が必要で、どこからツールでいいのか)は、別記事でも詳しく書いています。

CCNAの知識は実務でどこまで使う?現役が分ける「染み込ませる知識」と「忘れていい知識」
CCNAの勉強をしていると、ふと「これ、実務で本当に使うの?」と感じる瞬間があると思います。細かいプロトコルの数値を暗記しながら、虚しくなる人もいるはずです。現役のネットワークエンジニアを10年やってきた立場から、正直に答えます。結論から言…

まとめ:仕組みを押さえれば、サブネット計算は怖くない

  • サブネット計算で求めるのは、ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・ホスト範囲・ホスト数の4つ。
  • 土台は2進数。「128・64・32・16・8・4・2・1」を暗記し、足し算で変換する。
  • ネットワークアドレスはAND演算、またはブロックサイズ(256−マスク値)で求められる。
  • ブロードキャストは次のネットワークの1つ手前、ホスト範囲はその間。
  • 利用可能ホスト数は「2のn乗−2」。
  • 試験は手計算の速さ、実務は仕組みの理解+ツールの使い分け。大事なのは「仕組みが分かっていること」。

サブネット計算は、最初こそ難しく見えますが、手順を分解すれば必ずできるようになります。まずは紙とペンで、今日の例題を自分の手で解いてみてください。手を動かすほど、確実に身につきます。

なべ
なべ(現役ネットワークエンジニア)
実務10年/合格と現場の両面で解説

「150時間勉強して一度落ちた」現役ネットワークエンジニア。実務10年。合格だけでなく、現場で効く学び方やキャリアのリアルを、等身大で書いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました