「CCNAはPing-tだけで受かる」——そう書いてある記事はたくさんあります。一方で「Ping-tだけでは危険」「丸暗記になるからダメ」と真逆のことを言う記事も同じくらいあります。どっちなんだ、と迷った人も多いはずです。
結論から言います。私は問題演習をほぼPing-t中心で回してCCNAに合格しました。そして今、現役ネットワークエンジニアとして10年やってきた立場から言えるのは、「Ping-tの問題は、全部覚えるくらいの勢いでやり込んでいい」ということです。世間の「丸暗記は危険」という定説とは、少し違う話をします。
ただしこれには大事な前提があります。その前提を外すと、たしかにPing-tは「ただの丸暗記マシン」になってしまう。この記事では、その前提とセットで、Ping-tの正しい使い倒し方を解説します。
Ping-tとは?まず何ができるサイトなのか
Ping-tは、CCNAをはじめとしたIT資格の問題演習ができる学習サイトです。ネットワークエンジニアを目指す人の間では、ほぼ定番と言っていい存在です。CCNA対策としては「最強WEB問題集」というWeb上の問題集が中心になります。
特徴的なのが、各問題を正解した回数に応じて「まだ解けていない問題(分野別未)」「間違えた問題(ミス)」「正解した問題(ヒット)」などに自動で振り分けてくれる仕組みです。おかげで、間違えた問題・不安な問題だけを狙い撃ちで復習できるのが最大の強みです。この「苦手だけ潰す」動線が、Ping-tがこれだけ支持される理由だと私は思っています。
CCNA向けには、通常の選択問題に加えて、コマンドを実際に入力して覚える「コマ問」、Cisco機器の操作を疑似体験できる「コマンドシミュレータ」も用意されています(どちらもPC専用)。このあたりは後半で使い方を説明します。
Ping-tの料金|無料範囲とプレミアムの違い
Ping-tはユーザー登録すれば無料で使い始められます。ただしCCNAの問題集は、無料で解ける範囲と、有料(プレミアムプラン)で開放される範囲に分かれています。
- 無料範囲:CCNAの「ルーティング」より前の分野。基礎的な範囲はここで一通り演習できます
- 有料範囲:プレミアムプランに申し込むと「ルーティング」以降の分野、約450問が追加で開放されます
プレミアムプランの料金は、執筆時点で以下のようになっています(税込・一括払い・自動更新なし)。長く契約するほど1ヶ月あたりが安くなる仕組みです。
| 利用期間 | 料金(税込) |
|---|---|
| 1ヶ月 | 2,400円 |
| 3ヶ月 | 3,800円 |
| 6ヶ月 | 4,800円 |
| 12ヶ月 | 6,800円 |
正直に言えば、CCNA本番の出題範囲はルーティング以降にも重要分野が広がっているので、合格を本気で狙うならプレミアムはほぼ必須だと考えていいです。無料範囲だけで受かろうとするのは、試験範囲の一部を捨てて戦うようなものです。ただし、いつから課金するかは選べます。これも後半で触れます。
「Ping-tだけで受かる」は本当か
ここが一番みんなが知りたいところだと思います。私の答えは、「問題集はPing-tだけでいい。でも”教材がPing-tだけ”では受からない」です。ややこしいので分けて説明します。
まず「問題演習をPing-tに一本化する」のは、私はアリだと思っています。実際、私自身がそうでした。あれこれ問題集に手を広げるより、Ping-t一つを何度も回したほうが、進捗も苦手も可視化されて効率がいい。この意味では「Ping-tだけ」で問題ありません。
問題は「基礎理解を飛ばして、いきなりPing-tだけで突っ込む」パターンです。これは未経験の人には正直きついです。ネットワークの用語も仕組みも分からない状態で問題を解いても、解説を読んでも「何を言っているのか分からない」となり、結局「この問題はこの選択肢が答え」という、意味を伴わない暗記に陥ります。これが世間で言われる「Ping-tは丸暗記になるから危険」の正体です。
つまり、危険なのはPing-tそのものではなく、「理解のないままPing-tに入ること」なんです。順番の問題です。
私の逆張り|Ping-tの問題は「全部覚えるくらい」でいい
ここからが、他の記事とは少し違う話です。多くの記事は「丸暗記はダメ、理解しろ」と書きます。それはその通りなんですが、言葉足らずだと私は思っています。
私の考えはこうです。Ping-tをやる段階では、もう理解は終わっている前提。だからPing-t上では、理解済みの知識を反射で引き出せるようになるまで、覚えるくらい解き込んでいい。
順を追うとこういうことです。
- 理解フェーズ:黒本などの教材で「なぜそうなるのか」を先に腹落ちさせる
- 演習フェーズ(Ping-t):理解済みの内容を、問題を通して高速で引き出せるまで反復する
この2フェーズが分かれていれば、「全部覚えるくらいやり込む」ことは丸暗記ではありません。理解した知識を、試験本番で迷わず引き出せる状態に固めているだけです。むしろここまでやり込むから、本番で応用の効く土台になる。中途半端に「間違えた問題だけ軽く復習」で止めると、知識が反射レベルまで落ちず、少しひねられただけで崩れます。
だから私は、Ping-tの問題を「全問ヒット(全問正解済み)」にするのは当然として、そこからさらに何周も回して、問題文を見た瞬間に答えの理由まで言えるレベルを目指していました。この「勢い」が、遠回りに見えて一番の近道だと今でも思っています。
注意してほしいのは、これは「理解を飛ばして選択肢を暗記しろ」という意味ではないということ。順番を守った上での話です。ここを取り違えると、ただの丸暗記になり、本番の初見問題で詰みます。CCNAの問題は本番でそのまま同じものが出るわけではないので、「答えの丸暗記」は通用しません。あくまで理解 → 反復定着の順です。
現役が実践したPing-tの使い方
1. まず教材で理解、それからPing-t
繰り返しになりますが、いきなりPing-tから入らないこと。先に教材で概念を理解します。私は黒本を「理解の土台づくり」に使いました。この順番については、黒本の使い方をまとめた記事で詳しく書いています。
参考:CCNAの黒本は本当に必要?現役が教える正しい使い方/CCNAの参考書は白本と黒本だけでいい|全部揃えて落ちた現役が語る選び方
2. 「ミス問」だけを繰り返して潰す
Ping-tの真骨頂は、間違えた問題(ミス)だけを絞り込んで再演習できる機能です。1周目は全問解いて自分の現在地を把握し、2周目以降は「ミス」に振り分けられた問題を集中的に潰します。正解できた問題(ヒット)に時間を使うのはもったいないので、苦手だけをひたすら回す。これが効率のいい進め方です。
3. 解説を必ず読む。分からなければ教材に戻る
Ping-tは解説が丁寧なのも強みですが、解説を読んでも腑に落ちないときは、問題を暗記して先に進めるのではなく、いったん教材に戻って該当分野を読み直します。「解説で分からなければ元の教材へ」——この往復をサボると、丸暗記の罠に落ちます。
4. コマ問・コマンドシミュレータでコマンドを体に入れる
CCNAではコマンド入力に関する問題も出ます。Ping-tのプレミアムには、コマンドを実際にタイプして覚える「コマ問」と、Cisco機器の操作を疑似体験できる「コマンドシミュレータ」があります。選択問題で答えを選べても、いざ自分でコマンドを打つとなると手が止まる——これはよくあることです。コマンド系は「見て分かる」と「打てる」の間に差があるので、手を動かして覚えておくと本番で強いです。
5. 仕上げは全問ヒット、さらに反復
最終的には全問「ヒット」の状態にして、そこから問題文を見た瞬間に答えとその理由が浮かぶまで反復します。私はこのレベルまで持っていってから本番に臨みました。ここまでやると、本番で多少問題文がひねられても、理解ベースで対応できます。
Ping-tだけでは足りない部分をどう補うか
公平に、Ping-tの弱点も書いておきます。Ping-tは優秀な問題演習ツールですが、「体系立った基礎理解の教材」ではありません。だから最低限、次の2つは別で補う必要があります。
- 基礎理解:ネットワークの仕組み・用語・プロトコルの役割。これは教材(黒本など)で先に入れる
- 手を動かす練習:コマンドや機器操作の感覚。Ping-tのコマ問・シミュレータや、必要ならPacket Tracerで補強する
逆に言えば、この2つさえ押さえれば、問題演習の主軸はPing-t一本で十分に戦えます。あれこれ問題集を買い足す必要はありません。
勉強全体の進め方や順番については、独学ロードマップの記事にまとめているので、あわせて読んでみてください。
参考:CCNAは独学で合格できる?未経験・実務者別のロードマップ
現役が解説するCCNAの勉強法
「Ping-tは怪しい」と検索する人へ
「ping-t 怪しい」と検索してこの記事にたどり着いた人もいるかもしれません。無料で使えて、合格体験記がやたら多くて、逆に不安になる——その気持ちは分かります。
結論、Ping-tは怪しいサイトではありません。長年ネットワークエンジニア界隈で使われ続けてきた定番の学習サイトで、私も実際に使って合格しましたし、周囲のエンジニアにも利用者は多いです。問題も試験問題の流出をもとにしたものではなく、出題形式に沿って独自に作られた実戦的な対策教材です。だからこそ「本番と一言一句同じ問題が出る」わけではない。むしろそれが、正規の教材である証拠です。
本当に警戒すべきなのは、Ping-tではなく次のような教材です。
「Ping-tの的中率」を売りにする教材には注意
最後に一つ、注意喚起です。ネット上には「本番とそっくりの問題が出る」「的中率が高い」と謳う教材の情報が出回ることがあります。こうした”的中”を売りにするものは、流出した試験問題をもとにした不正な教材(いわゆるブレインダンプ)である可能性が高く、Ciscoの認定倫理規定に違反します。使えばあなた自身の合格が無効になるリスクもあります。
Ping-tはあくまで、正規に作られた問題でネットワークの理解と定着を促す教材です。本番で一言一句同じ問題が出るわけではありません。だからこそ「答えの暗記」ではなく「理解した上での反復定着」が正解になる。この記事で言いたかったのは、まさにここです。過去問との付き合い方については、別記事で詳しく書いています。
参考:CCNAの過去問は存在する?丸暗記が危険な理由と正しい問題演習
まとめ|Ping-tは「理解してから、覚えるまで」使い倒す
- 問題演習の主軸はPing-t一本でいい。実際に私もそうやって合格した
- ただし”教材がPing-tだけ”は危険。基礎理解は先に教材で入れる
- 理解を済ませた上でなら、Ping-tは全部覚えるくらい反復して定着させていい
- 危険なのは「理解を飛ばした丸暗記」。順番さえ守れば、やり込みは正義
- 合格を本気で狙うならプレミアムはほぼ必須。料金は公式で最新を確認
- “的中率”を売りにする教材はブレインダンプの疑い。手を出さない
「理解 → 覚えるまで反復」。この順番を守れば、Ping-tはCCNA合格に向けて最も頼れる相棒になります。まずは無料範囲から触ってみて、自分の現在地を確かめるところから始めてみてください。


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