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「ネットワークエンジニアはオワコン」という言葉を見て、不安になってこの記事を開いた人もいると思います。クラウドが広まり、AIや自動化の話も毎日のように聞きます。物理の機器を設定する仕事は、この先なくなっていくのではないか、と。
私は2014年から、ネットワークエンジニアとして現場で働いています。常駐先でメンバーを受け入れる側も経験しました。この記事では、「オワコンかどうか」を一般論で答えるのではなく、2014年から現場にいて実際に何が減って、何が増えて、どこに人が足りないのかを書きます。
結論:オワコンではない。人は足りていない、特に設計以上
ただ、「だから安心していい」という話でもありません。足りないのは設計以上で、そこに手が届かないまま年数を重ねると、話が変わってきます。順番に書いていきます。
「オワコン」と言われる理由
よく挙げられる理由は、だいたい次の3つです。
- クラウドの普及で、自社で機器を持たない会社が増えた
- クラウドから管理する機器が増え、設定の手間が減った
- AIや自動化で、人がやっていた作業が置き換わる
どれも、まったくの間違いではありません。ただ、現場で起きていることは、「仕事がなくなる」より「仕事の形が少しずつ変わる」に近いと感じています。
2014年から現場にいて、変わったこと・変わらないこと
基本は、あまり変わっていない
最初に書いておきたいのは、仕事の基本はあまり変わっていない、ということです。構成を考え、機器を設定し、障害が起きたら切り分ける。ネットワークが止まれば業務が止まるので、それを止めないための仕事は、今も変わらず必要とされています。
増えたこと
| 増えたこと | 現場での感覚 |
|---|---|
| リモートの打ち合わせ | リモートでの打ち合わせが増えた |
| Merakiのようなクラウド管理型の機器 | クラウドの管理画面から設定・監視する機器が増えた |
| 新しいアプライアンス | トップ層の現場では、新しい種類の専用機器が増えた |
| AIデータセンター | 今はAIのためのデータセンターという仕事もある |
Cisco Merakiは、Cisco自身が「クラウド管理型ネットワーク」として紹介している製品群です。こうした機器では、コマンドを1台ずつ打つより、管理画面から設定する場面が増えます。その意味では、設定の手間は確かに減りました。
ただ、設定の手間が減ったことと、仕事が減ったことは同じではありません。どんな構成にするか、どこを冗長化するか、障害のときにどこを見るか。機器の管理方法が変わっても、ここを考える仕事は残ります。
AIで仕事はなくなるか:現場で使ってみた感触
AIについては、実際に現場で試しています。最近は、CodexやClaude CodeのようなAIを検証環境につないで、障害の切り分けに使ったりしていました。

使ってみた感触としては、結構限定的です。それに、顧客の情報をAIに渡すことには、現場はかなりシビアに反応します。学習に再利用されているとは思わないんですが、それでも慎重です。
ネットワークの仕事は、顧客の構成情報や設定そのものを扱います。それを外のサービスに渡すことに、現場が慎重になるのは当然です。AIが便利になっても、本番の環境でそのまま使えるようになるまでには、この情報の扱いの壁があります。
だから今のところ、AIは「人の代わり」というより、検証環境で切り分けを手伝う道具に近い位置にいます。AIを使いこなせる人の価値は上がるかもしれませんが、AIのせいでネットワークエンジニアが要らなくなる、という状況は、現場ではまだ見えていません。
人が足りないのは、設計以上
現場で人が余っていると感じる領域は、今のところありません。人は足りていません。その中でも特に足りないのが、設計以上ができる人です。
受け入れる側としても、設計が盛んな会社にいた経験がある人には安心感があります。逆に、設計を経験しないまま年数を重ねた経歴は、転職でかなりのマイナスになると感じています(SESを辞めたいと思ったらにも書きました)。
運用や保守の現場から構築・設計に上がる方法は運用保守から構築・設計へ上がるにはにまとめました。
設計や構築の実務経験がある人は、人が足りていない今、外でどう評価されるかを一度確かめておく価値があります。ITエンジニア専門の転職支援サービスなら、今の経験でどんな求人につながるかを聞けます。
相談したからといって転職しなければいけないわけではありません。なお、このサービスは実務経験のあるITエンジニア向けで、求人は首都圏が中心です。
これから積んでおきたい経験
人が足りない領域に向かうために、これから積んでおきたい経験を挙げます。
- 設計の経験:小さな範囲でもいいので、構成を考える側に入る
- 実機を触る経験:現場で本番機に触れないなら、中古の実機を家で触る
- 少し背伸びが必要な仕事:楽にこなせる作業だけを続けず、ちょっとできない業務を取りにいく
新しいアプライアンスやクラウド管理型の機器が増えているので、そうした機器に触れる機会があれば、取りにいっておくと話の幅が広がります。資格についての考え方はCCNAは意味ない?に書きました。
これから未経験で目指す人へ
これから未経験で目指す人にとっても、オワコンだから避けたほうがいい、とは思いません。人は足りていないからです。ただ、最初は運用や監視から始まることが多く、そこに長くとどまると、さきほど書いた「設計に手が届かないまま」になりやすい点には気をつけてください。未経験の働き方の実際はネットワークエンジニアは未経験だときつい?にまとめています。
よくある質問
ネットワークエンジニアに将来性はありますか
現場の感覚では、人は足りていて、余っている領域は見当たりません。ただし、将来性は職種全体より、自分がどの工程にいるかで変わります。設計以上に向かっている人ほど、選べる仕事は多くなります。
AIに仕事を奪われませんか
実際に検証環境で使っていますが、今のところ使える場面は限定的です。顧客の情報を扱う仕事なので、本番でAIを使うことには現場がかなり慎重です。今の段階では、仕事を奪うものというより、切り分けを手伝う道具に近いと感じています。
クラウドの勉強もしたほうがいいですか
クラウドから管理する機器が増えているので、触れておいて損はありません。ただ、それより先に、構成を考えて障害を切り分けるという、ネットワークの基本の力を固めてください。管理の方法が変わっても、そこは変わらず求められています。
まとめ:仕事は減っていない。足りないのは設計以上
- 2014年から現場にいて、仕事の基本はあまり変わっていない
- 増えたのは、リモートの打ち合わせ、Merakiのようなクラウド管理型の機器、新しいアプライアンス、AIデータセンター
- AIは検証環境で使い始めているが、現場では限定的。顧客情報の扱いに現場は慎重
- 人が余っている領域はなく、特に設計以上が足りない
- オワコンになるのは職種ではなく、設計に手が届かないまま年数を重ねること
首都圏以外にお住まいの人や、実務経験がまだ浅い人は、まず大手の総合型転職エージェントで求人の全体像を見るところから始めてください。

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