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SES面談の対策を調べると、自己紹介の組み立て方や逆質問の例がたくさん出てきます。ただ、そのほとんどは面談を「受ける側」に向けた指導です。面談を「する側」が何を見ているかを、当事者として書いた記事はあまり見かけません。
私は2014年から、ネットワークエンジニアとして客先に常駐する働き方を続けてきました。常駐先でSESや派遣のメンバーを受け入れる側も経験していて、面談する側として入ったのは10人くらいです。立場は現場目線の担当で、上長などと一緒に同席していました。
この記事では、その経験から、面談で実際に見ていたことを書きます。先にお断りしておくと、私の見方はかなり現場寄りです。書類選考を担当する人や営業の担当者は、また違うところを見ているはずです。その前提で読んでください。
結論:見ているのは「やってきた業務の理解度」と「素直さ」
自己紹介の上手さや、逆質問をいくつ用意したかで決めていたわけではありません。ネットワーク案件の面談の勝負どころは、「どんな業務をやってきましたか」という質問への答え方です。順番に書いていきます。
SES面談は、採用面接とは何が違うのか
SES面談は、常駐先の案件に入る前に、常駐先の担当者と顔を合わせる場です。会社に雇われるかどうかを決める採用面接とは違い、決めるのは「この案件に入ってもらうかどうか」です。
だから面談する側の関心は、「この人に、この現場の仕事を任せられるか」に絞られます。人柄の良し悪しを全体的に評価するというより、現場で一緒に仕事をする姿が想像できるかを見ています。
いちばん効く質問は「どんな業務をやってきましたか」
ネットワークの仕事は、監視・保守・構築・設計と、同じ「ネットワークエンジニア」でも中身の幅がとても広い職種です。経歴に書いてある業務名だけでは、その人が現場で何を任せられるのかが分かりません。
そこで面談では、「どんな業務をやってきましたか」と聞きます。ここで見ているのは、業務の名前ではなく、その業務をどのくらいの理解度でやってきたかです。
理解度は、業務の説明のしかたに出る
たとえば、同じ「設定変更の作業をやっていました」でも、説明のしかたで伝わる情報がまるで違います。以下は分かりやすくするための例です。
| 答え方の例 | 面談する側に伝わること |
|---|---|
| 手順書のとおりにコマンドを投入していました | 作業はできる。ただ、なぜその手順なのかを分かっているかは読み取れない |
| 手順書のとおりに投入し、投入後に何を確認するか、どうなったら切り戻すかも把握していました | 作業の目的と影響範囲を理解している。任せられる範囲が想像できる |
大事なのは、上の答え方を暗記することではありません。自分がやってきた業務について、「何のための作業だったか」「どこまで分かってやっていたか」を自分の言葉で説明できるかどうかです。説明できない部分は、正直に「そこは先輩の指示に沿ってやっていました」と言えば十分です。
保守や監視の経験でも、話せることはある
保守や監視の経験しかないと、話せることがないと感じるかもしれません。ただ、障害が起きたときに何を見て、どこまで切り分けたかは、立派な「理解度」の材料です。アラートを受けてからエスカレーションするまでに何を確認していたかを、具体的に話せるようにしておいてください。
素直さは、受け答えで分かる
理解度と並んで見ていたのが素直さです。これは面談の受け答えで、かなり分かります。
私は以前から、受け入れる側として評価する軸を「技術・素直さ・雑談」の3つだと考えています(客先常駐を辞めたいと思ったらにも書きました)。面談の短い時間で見えやすいのは、このうち素直さです。たとえば、知らないことを知らないと言えるか、質問の意図に沿って答えようとしているか、といったところです。
反対に、最近は受け身の姿勢が嫌われる、という話もよく聞きます。言われたことだけをやってきた、という印象が強い答え方は、それだけで損をします。

正直に言うと、最後は「やってみて」というところもあります。明らかに問題があれば見送ります。
面談の短い時間で、その人の全部が分かるわけではありません。つまり、面談で完璧な答えを返す必要はありません。「明らかな問題がない」と思ってもらえれば、あとは現場での働きぶりで評価されます。面談で背伸びをして話を盛るほうが、入ってからの評価で苦しくなります。
スキルシートは、現場では「会話の種」
上位の記事では、スキルシートの書き方や、話とスキルシートを一致させることが重視されています。ただ、現場目線では、スキルシートはそれほど評価していませんでした。使い道は、面談で何を聞くかを決める「会話の種」です。
会話の種にされるということは、書いた項目について「それはどこまでやったんですか」と掘り下げられるということです。スキルシートに書いたことは、全部聞かれる前提で書いてください。
ただし、案件によっては面談の前に書類選考があります。そこではスキルシートが読まれます。現場目線の私の見方だけで「スキルシートは適当でいい」とは言えません。書類で落とされないように整え、面談ではその内容を自分の言葉で説明する。この両方が必要です。経歴の書き方は職務経歴書の書き方も参考にしてください。
SES面談は違法なのか
「SESの面談は違法では」という疑問もよく見かけます。ここは契約の形によって扱いが変わるので、法律の文言どおりに整理しておきます。
派遣の場合
労働者派遣法26条6項は、派遣を受ける側が、派遣労働者を特定することを目的とする行為を「しないように努めなければならない」と定めています(紹介予定派遣は除きます)。また、厚生労働省の「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の3は、派遣に先立って面接することや履歴書を送らせることなどを、派遣労働者を特定する目的の行為として「行わないこと」としています。
SES(準委任)の場合
26条6項は労働者派遣契約についての規定なので、準委任の契約にそのまま当てはまるものではありません。ただし、契約の名前が準委任でも、実態として常駐先が指揮命令をしていれば偽装請負と判断されることがあります。面談が違法かどうかは個別の実態によるので、この記事では「準委任なら問題ない」とは書きません。
自分の契約が派遣なのか準委任なのか分からない場合は、雇用契約書と就業条件明示書を確認してください。確認のしかたは客先常駐を辞めたいと思ったらに書いています。この記事は法的な助言ではありません。個別の判断は労働局などの窓口に相談してください。
SES面談に落ちる確率と、落ち続けるとき
SES面談の通過率について、公表された統計は見つけられませんでした(2026年10月時点)。ネット上の「◯割が落ちる」といった数字は、出典をよく確かめてください。
面談する側の経験から言えるのは、落ちる理由の多くは面談のテクニックではなく、「どんな業務をやってきたか」の答えに、案件と結びつく中身が少ないことだという点です。保守や監視の案件ばかりで、構築や設計の話ができないまま面談を重ねると、同じ結果が続きやすくなります。
その場合、面談対策より先に、担当できる工程を広げることを考えてください。保守の現場から構築に手を伸ばす方法は運用保守から構築・設計へ上がるにはに、会社を替える判断はSESを辞めたいと思ったらにまとめました。
今の会社では構築や設計の案件に入れる見込みがない、という実務経験者の人は、工程を上げる転職も選択肢です。ITエンジニア専門の転職支援サービスで、設計・構築に関われる求人を見ておくと、次の面談で話せる業務の幅を考える材料になります。
相談したからといって転職しなければいけないわけではありません。なお、このサービスは実務経験のあるITエンジニア向けで、求人は首都圏が中心です。
よくある質問
未経験や経験が浅くても、SES面談は通りますか
案件によります。経験が浅い人は、業務の理解度で示せる材料が少ない分、素直さがより大きく見られると考えてください。分からないことを分からないと言えること、言われたことの先まで手を伸ばそうとしていることが伝われば、「やってみて」と判断されることはあります。未経験の働き方の実際はネットワークエンジニアは未経験だときつい?に書きました。
スキルシートは盛ったほうが通りやすいですか
書類選考では有利に見えるかもしれませんが、面談で掘り下げられたときに説明できなければ、かえって信用を失います。現場で入ってからも、書いてあることができる前提で仕事が回ってきます。書くのは、説明できる範囲にしてください。
CCNAを持っていると有利ですか
受け入れる側としては、CCNAは持っていて当然という扱いで、決め手にはしていませんでした。CCNP以上なら安心感はあります。ただ、それ以上に見ていたのは、どんな業務をどこまで理解してやってきたかです。資格の差はCCNAとCCNPの違いにまとめています。
まとめ:面談の準備は「やってきた業務」を説明できるようにすること
- 面談する側が見ているのは、どんな業務をどのくらいの理解度でやってきたかと、受け答えの素直さ
- ネットワーク案件の勝負どころは「どんな業務をやってきましたか」への答え。作業の目的と影響まで説明できるようにする
- スキルシートは現場では会話の種。書いたことは全部聞かれる前提で書く。ただし書類選考では読まれる
- 派遣の事前面接は法律と指針で制限されている。準委任の扱いは実態によるので断定しない
- 落ち続けるなら、面談対策より先に担当できる工程を広げる
面談で完璧に答える必要はありません。自分がやってきた業務を、自分の言葉で、正直に説明する。それができれば、面談する側が見たいものはほぼ伝わります。
首都圏以外にお住まいの人や、実務経験がまだ浅い人は、まず大手の総合型転職エージェントで求人の全体像を見るところから始めてください。


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