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運用保守の仕事を続けていて、そろそろ構築や設計に関わりたい。でも、今の現場でどう動けばいいのか分からない。この記事は、そういう人に向けて書きます。
最初に正直に書いておくと、私自身は運用保守から上がった当事者ではありません。新卒のときに、たまたま設計寄りの日勤案件に入れてもらったからです。ただ、同じ時期に入った同期の多くは運用からのスタートでした。そこから構築や設計に上がっていった人と、残り続けた人を、私は横でずっと見てきました。
2014年からネットワークエンジニアとして働き、常駐先でSESや派遣のメンバーを受け入れる側も経験しています。受け入れる側として保守経験者の経歴を見てきた立場からも、上がる道を書きます。
結論:最初に確かめるのは「今の会社が上流工程をやっているか」
運用保守から上がれるかどうかは、本人の努力だけでは決まりません。会社がそもそも上流の仕事を持っていなければ、上がる先の席がないからです。だから順番は、会社を確かめる、社内で手を伸ばす、それでも無理なら会社を替える、です。
運用保守の経験だけだと、何が困るのか
運用保守の仕事は、手順書に沿って覚えていけるので、最初はずっと楽です。ただ、楽な環境に何年もいると、設計や構築のスキルが身につかないまま年数だけが増えていきます(ネットワークエンジニアは未経験だときつい?に詳しく書きました)。
受け入れる側から見ても、保守の経験だけが長い経歴は、正直「どうなんだろう」と考えてしまいます。保守が悪いのではありません。保守の経験だけでは、設計や構築を任せられるかどうかが経歴から読み取れないのです。
保守の現場で、構築・設計に手を伸ばす方法
保守の現場にいながらできることの基本は、自分で少しずつ興味を持って、上位の仕事に手を出すことです。

契約の範囲もあるので、正直難しいところはあります。それでも、できるだけ興味を持つこと。自分で少しずつ、上位の仕事に手を出していくことだと思います。
具体的には、たとえば次のようなことです。どれも、今の業務の延長で始められます。
- 手順書どおりに投入している設定が、何のための設定なのかを調べる
- 障害対応で、エスカレーションする前に自分で切り分けられる範囲を広げる
- 手順書の作成やレビューに関わらせてもらえないか、上長に聞いてみる
- 構築の作業や打ち合わせがあれば、同席させてもらえないか頼んでみる
- 現場で本番機に触れないなら、中古の実機を家で触って設定を試す
注意してほしいのは、契約の範囲です。SESや派遣で常駐している場合、担当する業務は契約で決まっています。範囲外の作業を自分の判断で勝手に始めるのはやめてください。やりたいことがあるなら、常駐先の上長や所属会社の担当者を通して相談する、が基本です。
社内で上がる道:異動・案件変更と「アピール」
今の会社が設計・構築の案件を持っているなら、社内の異動や案件の変更で上がるのが近道です。そのときに効くのが、少しずつ上の仕事にチャレンジして、それをしていることをアピールすることです。
黙って勉強しているだけでは、会社は気づきません。所属会社の上司や営業の担当者に、「構築や設計の案件に入りたい」と伝え続けてください。あわせて、保守の現場で自分がどこまで手を伸ばしたか(切り分けの範囲を広げた、手順書の作成に関わった、など)を具体的に伝えると、案件を割り振る側が判断しやすくなります。
会社から見て「この人は上に行きたいらしい」と分かっていなければ、構築や設計の席が空いたときの候補にも入りません。チャレンジすることと、それを伝えることは、セットで考えてください。
今の会社が上流をやっていないなら、転職を考える
今の会社が保守・運用の案件しか持っていないなら、社内でいくらアピールしても上がる先がありません。その場合は、設計・構築の案件を持っている会社に移ることを考えてください。
| 確かめること | 社内で上がれる会社 | 転職を考えたい会社 |
|---|---|---|
| 案件の工程 | 設計・構築の案件がある | 保守・運用・監視の案件だけ |
| 社内の技術者 | 設計ができる社員が社内にいる | 設計の経験者が社内にほとんどいない |
| 異動・案件変更 | 希望を出せば工程を変えた前例がある | 希望を出しても案件が変わった前例がない |
転職先を選ぶときは、面接で「設計工程の案件はどれくらいありますか」「ネットワークの設計ができる社員は何人いますか」と聞いてみてください。答えが具体的に返ってくる会社は、実際にその案件を持っています。会社の選び方はSESを辞めたいと思ったらにも書きました。
先にひとつだけ。眠れない、朝起きられない、食欲がないといった状態なら、転職活動より先に休んでください。動ける状態に戻ってからで間に合います。
保守の実務経験が2年以上あって、構築・設計に関われる会社に移りたい人は、ITエンジニア専門の転職支援サービスで、工程を上げられる求人があるかを聞いてみるのも一つの方法です。
相談したからといって転職しなければいけないわけではありません。なお、このサービスは実務経験のあるITエンジニア向けで、求人は首都圏が中心です。
上がれた人と、保守に残り続けた人の違い
運用から始まった同期や、受け入れた保守経験者を見てきて、差ははっきりしていました。
| 上がっていった人 | 保守に残り続けた人 |
|---|---|
| 自分から学び続け、次のステップを取りにいっていた | 流されるまま、同じ作業を続けていた |
| 「ここに居続けたら市場価値が上がらない」と自覚していた | 楽な環境に慣れて、そのままになっていた |
残り続けた人を責めるつもりはありません。上の仕事に触れる機会がない現場に何年もいれば、伸びている実感が持てず、上を目指す気持ちも持ちにくくなります。だからこそ、気持ちが残っているうちに、手を伸ばすか、会社を替えるかを決めてほしいと思います。
ネットワークエンジニアの上流工程とは
上流工程は、一般に要件定義・基本設計・詳細設計といった、構築より前の工程を指します。ネットワークなら、どんな構成にするか、機器をどう冗長化するか、アドレスやVLANをどう割り当てるかを決める仕事です。
いきなり要件定義に入る人はほとんどいません。保守から上がるなら、まず構築、次に詳細設計、と一段ずつ上がるのが現実的です。実務でCCNAの知識がどう使われるかはCCNAの知識は実務でどこまで使う?に書いています。
よくある質問
運用保守は何年やったら転職を考えるべきですか
年数で決めるより、今の会社が上流の案件を持っているかで決めてください。持っていて、手を挙げれば移れる前例があるなら、社内で上がる道を先に試す価値があります。持っていないなら、年数に関係なく、早めに動くほうが選択肢は残ります。
資格を取れば構築に上がれますか
受け入れる側として、CCNAは持っていて当然という扱いで、決め手にはしていませんでした。CCNP以上なら安心感はあります。ただ、それ以上に見ていたのは、設計や構築の現場にいたかどうかです。資格は手を挙げるときの裏付けとして使い、経験を取りにいってください。資格の差はCCNAとCCNPの違いにまとめています。
監視の経験しかなくても、職務経歴書に書けることはありますか
あります。アラートを受けてから、何を確認し、どこまで切り分けてエスカレーションしたかを具体的に書いてください。保守や監視の経験でも、書き方で読み手に伝わる情報は増えます。書き方は職務経歴書の書き方を参考にしてください。
まとめ:会社を確かめ、手を伸ばし、それでも無理なら替える
- 最初に確かめるのは、今の会社が上流工程の案件を持っているか
- 保守の現場では、少しずつ興味を持って上位の仕事に手を伸ばす。ただし契約の範囲は守り、上長や所属会社を通す
- 社内で上がるなら、異動や案件変更を希望し、チャレンジしていることをアピールし続ける
- 会社が上流をやっていないなら、設計・構築の案件を持つ会社への転職を考える
首都圏以外にお住まいの人や、実務経験がまだ浅い人は、まず大手の総合型転職エージェントで求人の全体像を見るところから始めてください。


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