CCNAの勉強法|150時間やって落ちた現役が教える「基礎→演習→仕上げ」の進め方

CCNAの勉強法・教材

「CCNAの勉強法を調べているけれど、何から手をつければいいのか分からない」——そんな人に向けた記事です。

私は現役のネットワークエンジニアで、実務は10年ほどになります。ただ、最初からスムーズだったわけではありません。CCNAは1回落ちています。150時間ほど勉強したうえでの不合格でした。

この記事では、出題範囲の確認から教材選び、スケジュールの立て方まで、勉強の進め方を順に説明します。あわせて、私がなぜ落ちたのか、そして合格後に現場で効いた学び方も正直に書きます。

この記事でわかること
  • 「基礎→演習→仕上げ」の3ステップと、それぞれの進め方
  • 出題範囲の配点と、勉強時間をどこに配るべきか
  • 150時間やって落ちた私の敗因と、その回避方法

結論:CCNAの勉強法は「基礎→演習→仕上げ」。分かれ目は仕上げ方

先に全体像を書きます。CCNAの勉強は、次の3ステップで進めます。

  1. 基礎を固める:テキストを1周して、全体像をつかむ
  2. 問題演習を繰り返す:解ける状態まで反復する
  3. 仕上げる:出る範囲を押さえて、本番に合わせる

この順番自体は、どこで調べても同じことが書いてあります。特別なことは何もありません。

にもかかわらず落ちる人がいるのは、3つ目の「仕上げ」を飛ばしてしまうからだと思っています。私がそうでした。テキストは読み込んでいたし、150時間ほどかけていました。それでも足りませんでした。理由は記事の後半で詳しく書きます。

勉強を始める前に:出題範囲と配点を確認する

最初にやってほしいのが、出題範囲の確認です。テキストを買う前で構いません。

CCNA 200-301は6つの分野に分かれていて、それぞれ配点の比率が決まっています。現行のバージョンはv1.1です。

分野配点
1.0 ネットワークの基礎20%
2.0 ネットワークアクセス20%
3.0 IPコネクティビティ25%
4.0 IPサービス10%
5.0 セキュリティの基礎15%
6.0 自動化とプログラマビリティ10%

上位3分野(基礎・アクセス・IPコネクティビティ)で全体の65%。時間配分に迷ったら、この3つを優先してください。

見てのとおり、IPコネクティビティが25%で最大です。ルーティング、スタティックルート、OSPF、冗長化。ここが一番配点が大きい。

そして上位3分野(基礎・アクセス・IPコネクティビティ)で全体の65%を占めます。裏を返すと、IPサービスと自動化は合わせて20%しかありません。

この数字を知っているかどうかで、勉強時間の配り方が変わります。全分野を均等にやろうとすると、配点の低いところに時間を使いすぎることになります。私が落ちたのは、まさにここでした。

なお、v1.1では生成AIや機械学習、クラウドのネットワーク管理といった項目が追加されています。2024年8月より前の教材を使う場合は、この範囲が抜けている可能性があるので注意してください。

出題範囲はCisco公式サイトで公開されています。受験を決めたら、必ず公式の最新版を自分で確認してください。まとめサイトの情報は古くなっていることがあります。

CCNAに必要な勉強時間の目安

よく言われるのは150〜200時間です。1日3時間なら2か月ほどの計算になります。

ただ、この数字はあくまで目安です。ネットワークの実務経験があるかどうかで、必要な時間はかなり変わります。

状況目安
実務未経験・IT知識なし200時間以上、3〜6か月
IT経験はあるがネットワークは初めて150〜200時間、2〜3か月
ネットワークの実務経験あり100時間前後、1〜2か月

ここで正直に書いておきます。私は150時間やって落ちました。時間をかければ受かる、という単純な話ではありません。

大事なのは総時間より中身です。どこに時間を配るか。その意味でも、先ほどの配点表は先に見ておいた方がいいです。

【ステップ1】基礎を固める:テキストを1周する

最初にやるのは、テキストを1周読むことです。目的は全体像をつかむこと、それだけです。

ここで大事なのは、完璧に理解しようとしないことです。分からないところは飛ばして構いません。1周目で全部を理解できる人はいません。

ネットワークは、後の章を読んで初めて前の章の意味が分かる、ということがよくあります。VLANを知らないとトランクの話が入ってこないし、ルーティングを知らないとVLAN間通信の必要性が分かりません。だから止まらずに進める方が効率がいい。

1周目でやるべきことを整理すると、こうなります。

  • どんな用語が出てくるかを把握する
  • 分からなかった箇所に印をつけておく
  • 章ごとの練習問題は、解けなくても目を通す

覚悟しておいてほしいのが、用語の壁です。CCNAは独特の言い回しが多く、かつては「Cisco語」と呼ばれていたほどでした。日本語訳が頭に入ってこない、という感覚は多くの人が通ります。1周目でつまずいても、それが普通です。

ひとつだけ例外があります。サブネット計算だけは、1周目のうちに手を動かして覚えてください。これは知識ではなく計算スキルで、慣れないと本番で時間を吸われます。IPコネクティビティが25%を占めることを考えると、ここが遅いのは致命的です。

【ステップ2】問題演習で「解ける」状態にする

テキストを1周したら、問題演習に移ります。ここが一番時間をかけるところです。

配分の目安としては、インプット3割・アウトプット7割くらいで考えてください。読む時間より解く時間の方が長くなります。

問題演習でやることは3つです。

  1. 問題を解く
  2. 間違えた問題の解説を読む
  3. なぜその答えになるかを、自分の言葉で説明できるか確認する

3つ目が抜けると、選択肢のパターンを覚えているだけの状態になります。問題文の言い回しが変わった瞬間に解けなくなる。これが危ない。

演習の教材については別記事で詳しく書いていますが、Ping-tが定番です。使い方を間違えなければ、これ1つでかなりのところまで行けます。

【ステップ3】仕上げる:出る範囲を押さえて本番に合わせる

ここが分かれ目です。そして、私が落ちたのはこの段階を飛ばしたからでした。

仕上げでやることは、出題範囲に的を絞ることです。テキストを均等に潰すのをやめて、実際に問われる形式・分野に合わせて詰めていきます。

独学なら定番の問題集を繰り返す、模擬試験を本番と同じ時間で通しでやる、といった形になります。ここで「安定して」取れているかを見てください。1回だけ良い点が出ても意味がありません。何回やっても同じくらいの点が出る状態、これが仕上がった状態です。

ひとつ正直に書いておきたいことがあります。Ciscoは合格点も問題数も公表していません。「何点取れば受かる」という公式の基準は存在しないんです。ネット上には具体的な数字が出回っていますが、あれは受験者の体感や推測であって、公式情報ではありません。

ネット上の「◯点で合格」という数字は、受験者の体感や推測です。公式情報ではないので、鵜呑みにしないでください。

だから「◯%取れたら大丈夫」とは言えません。私が言えるのは、余裕を持って取れるようになるまでやった方がいいということだけです。

教材はどう選ぶ?

結論を言うと、テキスト1冊と問題演習サイト1つで足ります。

定番は次の組み合わせです。

用途定番
テキスト白本(完全合格テキスト&問題集)
問題集黒本(最短突破 問題集)
演習サイトPing-t
実機の代わりPacket Tracer(無料)

ここでもう一つ失敗談を。私は教材を全部揃えて落ちました。買っただけで安心してしまって、どれも中途半端になった。教材の数と合格率は関係ありません。

1冊を繰り返す方が確実です。教材選びで迷っている場合は、こちらにまとめています。

学習スケジュールの立て方

3か月で受験する場合の組み方を例として書きます。実務未経験を想定しています。

時期やること
1か月目テキスト1周。サブネット計算は毎日少しずつ
2か月目問題演習を繰り返す。間違えた問題の理由を潰す
3か月目前半演習を継続しつつ、出る範囲に絞って仕上げに入る
3か月目後半模擬試験で安定するまで反復。安定したら受験申込

組み方のコツは「受験日を先に決めない」ことです。

締め切りを作るとやる気が出るという意見もありますし、それは分かります。ただCCNAは受験料が安くありません。仕上がっていない状態で日程だけ迫ってくると、焦って詰め込んで、結局身につかないまま受けることになります。

仕上げが終わってから申し込む。この順番の方が、結果的に安く済みます。

独学とスクール、どちらが向いているか

CCNAは独学で十分に合格できる資格です。実際、独学で受かっている人はたくさんいます。

そのうえで、向き不向きはあります。

独学が向いている人スクールを検討してもいい人
自分で学習計画を立てて進められる一度落ちてしまった
一定のIT知識がすでにある何から手をつけるか分からない
費用を抑えたい期限までに確実に取る必要がある

独学の具体的な進め方は、未経験と実務者で分けて別記事に書いています。独学でいくと決めている場合は、そちらを見てください。

私が150時間やって落ちた理由

サイト主
サイト主

「150時間もやって落ちたんですか?」
→ 「はい。しかも勉強時間が足りなかったわけじゃないんです。配る場所を間違えていました。」

ここからは、私自身の話です。

最初にCCNAを受けたとき、敗因は単純でした。勉強したところが、試験にあまり出なかったのです。

暗記が足りなかったのも事実です。全部完璧に覚えていれば受かったのかもしれません。でも独学だと「どこが出るのか」の感覚がないまま、テキストを最初から均等に潰そうとしてしまう。結果、出る範囲に十分な時間を割けませんでした。

基本情報技術者試験には合格していたので、勉強そのものには慣れているつもりでした。それでもCCNAは別の難しさがありました。

つまり、CCNAの勉強は「真面目に基礎を全部やる」が必ずしも正解ではない、という特殊さがあります。網羅性より、出る範囲をどう押さえるかが鍵になる。この記事でステップ3を強調しているのは、そこで私が失敗しているからです。

2回目はスクールに通って合格した

1回落ちたあと、私はスクールに通い直しました。このときは会社が費用を負担してくれました。そして通ったらすぐに合格できました。

独学との違いは明確でした。スクールは「試験に受かるための勉強」を教えてくれるのです。まず基礎をテキストで学び、演習で理解を確認する。そして最後に、出る範囲を押さえた仕上げの要点教材で固める。この流れでした。

正直に言うと、スクールで学んだ内容が、ほとんどそのまま出題されて驚きました。独学で感じた「やったところが出ない」という感覚とは正反対でした。

ただ、これはスクールでないと無理だという話ではありません。やっていたのは「出る範囲を押さえて仕上げる」というステップ3そのものです。独学でも、そこを意識して問題集や模擬試験を使えば、同じ状態には持っていけます。私は1回目にそれをやらなかった、というだけの話です。

合格した後に効く勉強:「なぜそうなるのか」を残す

ここが、この記事で一番伝えたい部分です。

SNSなどで「CCNAはコマンドを全部覚えていないと話にならない」という意見を見かけます。でも、現場の実感としてはコマンドの丸暗記は、それほど重要ではありません。コマンドは調べれば出てきますし、手元になくても困る場面は限られます。

本当に大事なのは、「何が可能で、何が不可能なのか」を理解していること。そしてそれを自分で裏取りする力です。

たとえばEIGRPなら、「再広報のコマンドは何か」を暗記することより、EIGRPがどんな技術で、どんなメリット・デメリットがあり、どんな注意点があるのかを説明できる方が、現場ではるかに役立ちます。

この差を生むのが、私が学習でも実務でも大切にしている「なぜなぜ分析」の考え方です。

  • なぜこの答えになるのか? → こういう仕組みだから
  • では、なぜその仕組みになっているのか? → こういう理由があるから

この深掘りを勉強の段階から癖づけておくと、合格後に大きく差がつきます。CCNAは現場で会話をするための前提資格です。用語と概念の意味を理解していれば、現場の会話に入っていけます。逆に、丸暗記で受かっただけだと、合格しても会話が成り立たず苦労します。

ステップ2で「自分の言葉で説明できるか確認する」と書いたのは、このためです。試験のためでもあり、その先のためでもあります。

まとめ:CCNAの勉強法

最後に整理します。

  • 進め方は「基礎→演習→仕上げ」の3ステップ
  • 始める前に出題範囲と配点を確認する。IPコネクティビティが25%で最大
  • 勉強時間の目安は150〜200時間。ただし総時間より、どこに配るか
  • テキスト1周目は完璧を目指さない。ただしサブネット計算だけは早めに
  • 演習はインプット3割・アウトプット7割
  • 合格点は公表されていない。余裕を持って取れるまで仕上げる
  • 教材は増やさない。1冊を繰り返す方が確実
  • 受験日は仕上がってから決める

コマンドを全部暗記する必要はありません。それより「何ができて、何ができないか」「なぜそうなるのか」を理解すること。これが合格にも、その先の現場にもつながります。

150時間やって落ちた身として言えるのは、足りなかったのは時間ではなく、出る範囲を押さえる工程だったということです。同じところでつまずかないよう、ステップ3を飛ばさないでください。

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